「YAMATOYA」さん

 30年以上前、京都での学生時代、ジャズ喫茶にはよく通ったものである。司法試験の受験勉強の合間に、というか勉強に煮詰まると勉強を放っぽり出して、法学部図書館から自転車で10分。お店にある「スイングジャーナル」を読みながら、タバコとコーヒーで1、2時間ジャズに浸る。まぁ、勉強から逃避していたわけである。

 

 当時は、写真のキースジャレットのスタンダーズシリーズが新譜だった。お世話になったジャズ喫茶が熊野神社前にある「YAMATOYA」さんや荒神口にあった「しあんくれーる」さんである。

 

 「しあんくれーる」さんは自分が学生時代に閉店してしまったけれど、「YAMATOYA」さんは今も健在で、今年が開店50周年だそうである。ツイッターを見ると、マスターもご健在のようだが、お嬢さんがお店を切り盛りしているようだ。自分が通っていた頃に赤いランドセルを背負って「ただいま~」とお店に帰ってきていた女の子なのだろう。

 YAMATOYAでは友達と択一模試の答え合わせをしたり、今のカミさんを連れて行ったりいろいろ思い出がある。印象深いのは、昭和天皇の大喪の礼の日に、世間が歌舞音曲を自粛する空気の中、しっかり営業して歌舞音曲を流しまくっていたこと(自分もYAMATOYAならやっていると思って行ってみたら期待を裏切らず営業していた。)。それと、司法試験に合格してしばらく経ってからマスターと話したときに、「顔つきが全く変わりましたね。」といわれたことである(受験生時代、合格できないプレッシャーで険しい顔をしていたんだろうな。)。

 

一番最後にYAMATOYAに行ったのは、大阪から札幌に登録替えしてすぐのころだから、20年以上前かしら。コロナが収束したら、YAMATOYAに、京都に行ってみたいなぁー。